棲み家展の模型について
棲み家展で展示している5つの模型。
その中身はおひとりさまを想定した様々な暮らしを想定した住宅の提案となっています。
夢見心地で理想を押し付けたり、実現不可能な計画になってはいけないので、現実にある敷地(主に私が自宅建設を計画していた中で悩んでいた土地)及び周辺環境、その敷地に関する法規を検討し、実際にクライアントを設定した上でそのクライアントに応える形で計画したものです。
木造ではなくコンクリート造で考えたものもあります。
実際に建築となれば正確な構造計算が必要になってきますが、基本的には現実的に可能な計画にしています。
あくまでも提案なので一部見た目重視でいじっているところはありますが;
模型展をしている中で、どうしても建売形式にこの「家」そのものを売り込んでいるように思われることが多いのですが、そうではなく、ここで展示している住宅は、それぞれのクライアントと希望に対してらふ提案室が出した提案を形にしたものです。
棲み家展で伝えたいこと
この希望に対してらふ提案室ではこういう提案をするのか、、、
という、事務所の考え方やアイデア、工夫の仕方を見てもらえたらなと思っています。
そして、感情移入しやすいように、クライアントの設定を身近にいそうな人々で設定し(実際に私の知り合いなどをイメージしています笑)、それならこういう暮らし方もありますよ。という提案です。
クライアントプロフィールなどを読んでいただくと、自分も!とか、自分に近い、、、とか、より近い目線で提案内容を見ていただけるかなと思うのですが、なかなか文書が読まれない現実が(泣)。
ということで、順不同ですが、クライアントプロフィールを公開することにしました。
時間がある時に読んでいただいて、興味を持っていただけたら気軽に棲み家展に足をお運びください♪ 来ていただいたからといってその後営業などは致しませんのでご安心ください(笑)
※棲み家展開催日時についてはお知らせをご確認ください。
棲み家展 提案plan4 - 穏居住宅について


まず一つ目は、60代ご夫婦の終の住処です。物件名は「穏居住宅」隠居ではなく穏居です♪
悲しいけれど、どちらか一人になってしまった時にも持て余すことのないようにと計画しています。
ちょうどnoteのmadoriコラボ企画で夫婦の終の住処の計画を出していたので、それつながりでこの提案からの公開にしました。
延床面積は約70平米の2階建てですが、建物自体の全体の高さを抑えた計画になっています。
くれぐれも、、、以下のクライアントプロフィールはフィクションであり、模型の住宅も実際に建ったものではありません。
PERSONA -クライアントプロフィール-
名前その他:森田修 67歳、無職 森田美智子 63歳、パート(塾講師) 世帯年収:400万
居住地域:⻑野県山形村 学歴:二人とも県内の大学卒 休日の過ごし方:トレッキング、音楽鑑賞、料理 所有するデバイスとSNS iphone+ipadpro、facebook(修) iphone+ipadmini、閲覧のみ(美智子) 一日のメディア接触時間:1、2時間程度
一日の主なスケジュール
6:00(起床→朝食)
近所を散歩、朝食。
午前中に家事や買い物を済ませる。 12:00〜15:00(昼食→自由時間) 昼食を取った後はそれぞれ自由に音楽を聴いたり昼寝をしたり。
15:00〜19:00(勤務時間)
美智子:仕事の日は出勤。
修:夕飯づくり。
19:30〜22:00(夕飯→入浴→就寝) 二人で食事。入浴後ベッドでちょっとテレビを見ながら就寝。
二人とも県内出身。結婚後、夫の実家所有の山形村の土地に家を建て暮らしている。 夫は学校勤務だったが現在は退職。妻は10年以上続けている塾講師をパートでしている。
子どもたちも独立し離れており、70代も見えてきて、車の運転もいつまでもするつもりはないので 生活に便利な松本塩尻あたりに住み替えたいと考えている。 掃除も大変だし、いつ一人になってもおかしくない年齢なのでコンパクトに暮らしたい。物は減らして好きなものだけに囲まれて生活したい。
家族が集まるときは正月くらいで、子どものうちの一人の家に集まることも多い。松本なら、迎えるとしても外に泊まればいいので 客室もいらない。
散歩やトレッキングなどのんびり体を動かすことは好きだけれど、日常的にはインドア派。
家ではそれぞれ過ごすことも多いが食事は一緒にしている。二人とも料理好き。
松本の中心地の静かな住宅街に小さな土地を見つけた。車が無くても充分生活していける場所で条件はいいのだけれど 今住んでいる土地とあまりに広さが違い家のイメージができず決めきれずにいる。
CONCEPT -設計&提案のポイント-
松本中心地の住宅に囲まれた狭小地。前面道路含め計画地への道幅はどこも狭く通れる車両が限られる。
南側には住宅が迫って建っているが一部分だけ空間があり、築浅の住宅の車路となっているため当面はそこからの採光が
確保できそうである。
将来的な万が一のことを考えると1階で生活を完結させたいが、敷地目いっぱいに平屋を建てて、使い道のないスペースが 周囲にできるよりも、小さくても庭のような部分をという意見が一致し、敷地にゆとりを持たせ、コストパフォーマンスも良い 総2階建ての計画とすることに。さらに、コスト面及び手放す時の資産価値も考え、コンクリート壁構造も想定しつつ 建物高さを抑え断面を検討。
今のところ車は所有するということでコンパクトカー1台が停められるスペースも確保する。
建物廻りのスペースを有効に利用することと南側の隣地が開いている部分からの採光もできるだけ室内に取り込むことを優先し、
敷地に対して角度をつけた建物配置とする。
室内はコンパクトな動線とし空間を細かく仕切らずシンプルな間取りとしつつ、二人での生活及び一人ひとりの時間も
ほどよい距離感で落ち着いて快適に過ごせるような計画、提案とした。
2階のトイレはトイレ掃除を2ヶ所もしたくないというクライアントの希望から設けなかった。
終の棲家として穏やかな暮らしができ、小さくても閉塞感なく豊かな気持ちで過ごせる空間づくりを行った。
※棲み家については、過去のブログをお読みください。
コメントをお書きください