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暮らしを描く、間取りの物語 #01

ふたり暮らしの、ちょうどいい距離

  小さなLDKの中心にあるのは、彼の?彼女の?コックピット

 

 

ーー彼の視点からーー

 

彼は、夕方になると

コックピットのようなキッチンに立つ。

料理は、定年退職後のささやかな楽しみのひとつだ。

 

ほどなく玄関が開き、妻が仕事から帰ってくる。

「今日はなに?」

そのひと言に、ワイングラスと

えんどう豆を返す。

 

庭に面したダイニングテーブルを、少しこちらに寄せてグラスを合わせる。

 

えんどう豆の筋を取りながら、今日の”発見レシピ”に相槌を打つ妻。

 

 

その何気ない時間に、穏やかな幸福が宿っている。

 

LDKというには小さなこの空間が、今のふたりにはちょうどいい。

 

 

 

ーー彼女の視点からーー

 

休日、彼女は豆を挽く音と香りで目を覚ます。

 

「おはよう」と声をかけながら、階下へ降りていく。

 

夫の挽いた豆でコーヒーを淹れ、庭に出ている夫に声をかける。

 

窓から顔を出す夫にマグカップを手渡し、

窓辺の内と外、それぞれに腰掛けてぽつぽつと話す穏やかな朝。

 

さて、今日の朝ごはんは何にしよう。

冷蔵庫の中身はなんだろう?

 

 

これは、棲み家展で展示&提案している模型について、空間のイメージをしてもらうためにはどうしたらいいかな?

と思い考えた、物語です。

 

昨日雨で客足の鈍かった棲み家展午前中に書き上げた、ほやほやストーリー♪

少し前に書き上げていた別のものを載せる予定だったのですが、

このストーリーを考えるのが楽しすぎてニヤニヤが止まらず先出し(笑)

 

実は裏ストーリーがあるのですが、それはまたいつかこの場所で、、、

うっすら気づいてくれる楽しみを期待しています。あはは😆

 

 

この物語、後から取ってつけたわけでもなく、クライアントのヒアリングを受けて(設定したのは私ですが)感じたイメージを元に設計するのですが、それを思い出しながら書きました。

 

どうでしょう?情景が浮かびますか?

そうだったら嬉しいです。

そして、どんな間取りなんだろう?と思ってもらえたら、、、ぜひ棲み家展へ♪

 

ちなみに、この模型、住宅名は「穏居住宅」

クライアントプロフィールは以前のブログで紹介していますのでご一読ください。

 

今、私はこのストーリーから撮りたい写真が!

自分の行動で自分が楽しむというありがたい時間を過ごさせています(笑)

 


 

※棲み家については、過去のブログをお読みください。