小さな部屋で重ねる、新しい日々
ー 変わらず体に染み付いた時間に目覚める朝。
変わったのは、
誰のことも考えず、自分の好きなようにしていいということ。
あとひとつは、
ホテルのような、美術館のようなこの「ワンルーム」。
寂しいよりも、胸の奥が小さく弾む。
この先、この家でどんな時間を過ごそうか。
ふぅっと ひと呼吸して腕をストレッチ。
コーヒーを淹れると、豆の香りがふわりと空間を満たす。
朝の光が柔らかく射し込むキッチンは、
自分仕様になってきた。
今日は、友人から昼飲みに来ると連絡があった。
とっておきのグラスを冷やして、ささっとおつまみをつくる。
草花が増えてきた庭に面して置かれたテーブルは、
一人暮らし用にと買い替えた掘り出し物の民藝家具。
お気に入りのお皿を並べると、思わず鼻歌が漏れる。
庭から外した目線に入ったのはオブジェのような階段。
その先にあるのは彼女の秘密基地だ。
、、、ただの収納なんだけどね。
そうだ、今日はお泊まり仕様にしておこう。
友人が来るまであと1時間。
白くなった髪に映える真っ赤なセーターと、
ゆるシルエットのジーンズに着替える。
顔も整えて、玄関先を掃きに出た。
「おはようございます!」
隣のドアから出てきたのは、
数日前に引っ越してきた“店子”さん。
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
たまのこんな会話に顔が綻ぶ。
久しぶりの一人暮らしは
やることも、楽しみも、意外と多い。
やりたいこと、まだまだあるな。
さて、とりあえず今日は、久々の昼飲みを楽しもう。
<あとがき>
これは、棲み家展で展示&提案している模型について、空間のイメージをしてもらうためにはどうしたらいいかな?
と思い考えた物語です。
ちなみに、この模型、住宅名は「ミマモリハウス」
高齢になっての引っ越しはいいけれど、
慣れ親しんだ土地を離れるのはちょっと不安。
孤独死はとっても不安。
ーーというのが現実ではないでしょうか。
まぁ、慣れ親しんだ土地を離れることに関しては、
自由と希望を求めて えいやっと やってみれば、
なんとでもなりそうな気がします。
(そうしてこの地へやってきた移住組の考え。笑)
けれど、「何日も発見されなかった」というのは、
できる限り避けたい。
ルームシェアは なかなかハードルが高そう。
ここはいっそ、賃貸にしては。
お隣に誰かがいて、ついでに家賃収入も得られる...
敷地の場所的にも需要はあるはず。と考えました。
次に考えたのは誰に貸すか。
別棟を間借りしていた経験と、
賃貸アパート付きの実家に住んでいた友人の話から、
長く住まわれると、距離感や退去に関する問題がちょっと大変そう。
松本という土地柄、学生や単身赴任も多い。
そこで、ある程度居住期限が決まっている人を想定した、
一人暮らし向けのアパートで、コスト的にも一室だけという形にしました。
アパート部分の計画は、なんでこういう間取り無いんだろう。
という私の希望を詰めまくりました。
もちろん住居部分も、私が自宅で(この)仕事をしていなければ、
「ここに住みたい!」と思えるような計画になっています!
興味を持っていただけたら、、、ぜひ棲み家展へ♪
クライアントプロフィールも追って更新予定です💦
※棲み家については、過去のブログをお読みください。
